使用人のクラリンと未知の山脈を高く飛んでいたロザウラのカバグリフが不意に着陸する。 男装したロザウラは翼のある獣から降り、自分がどこにいるのかわからなくなる。 彼女は傷心と絶望でいっぱいだが、運命がこの見知らぬ土地に自分を連れてきたのだと知っている。 ロザウラは、ポーランドはこれまで自分に優しくなかったと言い、森の中の道を登っていくと、素朴な建物があるのに気づく。 開いた扉からは光が差し込み、ロザウラとクラリンは中から鎖の音と悲しい嘆きが聞こえてくるのを感じる。 ロザウラとクラリンは、鎖の音と悲痛な叫び声を聞きながら、その建物に近づいていく。 野獣のような」動物の皮をかぶった男は、自分の罪は生まれたことだけだ、それは誰にでもあることだと言う。 しかし、セギスムンドと名乗るその男は、どんな人間や動物よりも自由がなく、外の世界との接触は監守のクロタルドだけである。
突然、セギスムンドはロザウラとクラリンの存在に気づき、そこにいるのは誰だと要求します。 怯えるロザウラを捕まえ、殺すと脅すが、彼女が自分は慰めを求める不幸な魂だと説明すると、セギスムンドは軟化し始める。 刑務所の奥からクロタルドと看守たちの声が聞こえ、クロタルドが看守に侵入者をすぐに殺せと命令するのが聞こえる。 クロタルドと看守が近づくと、ロザウラとクラリンは命乞いをし、指示通りに武器を降ろす。 ロザウラが剣を渡すと、クロタルドはすぐにそれを見分ける。 彼はその剣を、生まれてくる息子の母ヴィオランテに預け、後にその子が父親を探すのに使うようにと、ムスコヴィーに置いてきたのだ。 クロタルドが男だと信じているロザウラが、実は自分の息子であることを知ったクロタルドは、二人を殺すことはできない、たとえバジリオ王が秘密刑務所に侵入した者を殺せという命令に従わなかったとして、クロタルド自身の死を命じることになってもだ、と考える。
宮殿に戻ったアストルフォは、従姉妹のエストレラが女官を従えて入ってくるのを見る。 アストルフォとエストレラはバジリオ王の甥と姪であり(母親はバジリオ王の姉妹)、王には跡継ぎがいないため、二人は王位継承権を争っているのである。 アストルフォは、エストレージャと結婚するのが一番有利だと考え、彼女の美しさを「魂の女王」と称して褒めちぎる。 しかし、エストレラはアストルフォのお世辞に感心せず、彼を “欺瞞と裏切り “に満ちた人物と見なした。 バジリオ王の到着を告げるトランペットが鳴り響く中、エストレラはアストルフォの首から下げたペンダントを指さすと、そこには別の女性の肖像画が描かれていると言い張る。 バジリオは姪と甥に愛情を注ぎ、王冠を求める二人を平等に扱うことを約束するが、その前に告白をしなければならないと言う。
王は、亡き妻が産んだ息子セギスムンドは、占星術の予言では、父を殺し、ポーランド国内に反対と分裂を引き起こす暴君になると主張していた。 バジリオは祖国と自分の命を守るため、「賢者が星に勝てるかどうか確かめるため」、セギスムンドを出産後すぐに閉じ込めた。 しかし今、バジリオは息子を幽閉し、ポーランドから正統な王子を奪ったことに疑問を抱き、セギスムンドを試験的に解放することにした。 バジリオは、セギスムンドの邪悪な本性が表に出ることはないだろう、あるいは自分の意志で暴力的な性向を抑えることができるだろうと考えたのである。 しばらくして、アストルフォとエストレージャが去った後、クロタルドがロザウラとクラリンを連れて宮殿にやってきて、王と話をしたいと言う。 彼はバジリオに、秘密の牢獄に侵入したよそ者を殺していないことを説明し始めるが、バジリオがそれを遮る。 彼はすでに秘密を明かしたのだから、よそ者を殺す必要はない、とバジリオは言う。
その後、城に入ったクロタルドは、バジリオに自分の命令が実行されたことを報告する。 クロタルドはセギスムンドにアヘン、ケシ、ヒヨドリの薬を飲ませ、死に似た深い眠りについた後、宮殿に連れてきて、バジリオの豪華なベッドに寝かせたのだ。 クロタルドは、なぜバジリオがセギスムンドを、しかもこのような状態で呼び寄せたのか、その理由を知りたいという。 バジリオは、自分が星を変えられるかどうかを知りたいのだと言う。 少なくとも、予言が間違いであったかを確認するためだ。 セギスムンドが悪の本性を克服できるかどうかを知りたいのだ。 そうでなければ、すぐにでも牢屋に戻す。 セギスムンドを眠ったまま宮殿に連れてきたのは、万が一予言が的中して牢屋に戻さねばならなくなったときに、夢だったと納得させるためだ。 もしそうなれば、セギスムンドの投獄は単なる予防措置ではなく、罰になるとバジリオは言う。 混乱したセギスムンドが近づいてくるのが聞こえると、バジリオはクロタルドに命じて、自分がポーランドの王子であることをセギスムンドに伝えると、部屋を抜け出していく。
セギスムンドが入る。 彼は自分が起きていることを知っているが、まだ夢を見ているような気がする。 クロタルドはすぐさまセギスムンドの手にキスをしていいかと聞くが、セギスムンドはさらに困惑する。 普段は粗末に扱っている牢番が、なぜ手にキスをしようとするのだろう。 クロタルドは、セギスムンドは実はポーランドの皇太子で、予言により民衆に苦痛と破滅だけをもたらすとされ、ずっと幽閉されていたのだ、と説明する。 セギスムンドは激怒する。 クロタルドはどうして自分の王子をそんなにひどい目に遭わせることができるのだろう。 セギスムンドはクロタルドを素手で殺すと脅し、召使いをバルコニーから投げ落とす。 クロタルドはセギスムンドに行儀よくするよう懇願し、自分は夢を見ているだけだと言うが、セギスムンドはなだめることができない。 アストルフォが入ってきてクロタルドの命を救い、セギスムンドは彼に決闘の申し入れをする。 騒動を調べに来たバジリオ王は、自分を秘密の牢獄に閉じ込めたセギスムンドを口汚くののしる。 彼は父を自由と解放を奪った「暴君」と呼び、バジリオもセギスムンドに「夢を見ているだけだ」と言い放つ。
一方、エストレラは侍女のアストレアことロザウラに近づき、アストルフォからペンダントを取り戻してほしいと頼む。 エストレヤはアストルフォとは二度と口をきかないつもりだったが、肖像画は手放さないという。 エストレラが去ると、ロザウラは取り乱す。 ロザウラが自分の娘であることを知ったクロタルドは、自分の正体を明かさないようにと忠告する。 突然入ってきたアストルフォは、ロザウラがムスコヴィーで恋に落ちた女性であることを認識する。 彼女はアストレイアと名乗り、肖像画を渡せ、そうすれば今度はエストレラに渡せる、と要求する。 アストルフォはそれを断り、ロザウラにその肖像画は自分が描いたものだと告げる。 エストレヤが入ってくると、ロザウラはとっさに嘘をつき、アストルフォが手にしている肖像画は自分のものだと言う。 ロサウラは自分の肖像画を持って来ていて、それを見ようと立ち止まった時にアストルフォが持って行き、今は返そうとしないのだと主張する。 エストレラは肖像画を手に取り、確かにアストレアの肖像画だと納得すると、ペンダントから肖像画を見るように要求する。 アストルフォはまたもや拒否する。 「その時、動物の皮をかぶったセギスムンドが眠ったまま部屋から運ばれてきた。
秘密刑務所に戻ると、農民の反乱がセギスムンドの独房を襲い、正統な王子を解放する。 外国人の王を認めない彼らは、反乱を起こそうとする。 セギスムンドはまたもや夢だと思い込むが、とにかく予言が本当であることを証明しようと決意する。 そして、予言が本当であることを証明しようと決意する。 クロタルドはセギスムンドが牢獄から解放されたことを知ると、彼の足元に身を投げて慈悲を請う。 しかしセギスムンドは、長年世話になったクロタルドに感謝し、彼の命を助けた。 彼はクロタルドに忠誠を誓い、たとえ夢の中でも善行は決して無駄にならないと言う。 クロタルドはセギスムンドの親切に感謝するが、自分が忠誠を誓った国王に武器を取ることはできないと言う。 セギスムンドはそれを理解し、戦場での再会を約束してクロタルドを逃がす。
ワルシャワの宮殿で、ロザウラはクロタルドにアストルフォへの復讐を手伝ってくれるよう懇願する。 彼女の名誉を守るのは父親であるクロタルドの務めだとロザウラは言う。 アストルフォはロザウラの名誉を奪い、彼女を捨ててポーランドにやってきてエストレラと結婚したのだから、その誤りを正すには彼を殺すしかないのだ。 クロタルドは拒否する。 セギスムンドが自分を殺そうとした時にアストルフォは命を救ってくれたし、ロザウラを不当に扱ったにせよ、今のアストルフォを殺すことはできないからだ。 彼女は激怒し、クロタルドを自分の父親として呪う。
クロタルドとロザウラが退場し、武装した部下を従えたセギスムンドが入る。 突然、今度は長いチュニックに身を包み、剣を持ったロザウラが再び入ってくる。 彼女はセギスムンドへの忠誠を誓い、アストルフォがいかに彼女の名誉を奪ったかを再び説明する。 彼女はセギスムンドに、失われた名誉を取り戻すために力を貸してほしいと頼むが、セギスムンドは答えない。 ロサウラはセギスムンドが自分を無視することに腹を立てるが、彼は言葉ではなく行動で彼女の名誉を仇で返すと断言する。 太鼓の音でセギスムンドの部下が城を占拠したことがわかり、クロタルドとバジリオがセギスムンドに降伏して入ってくる。 バジリオが息子の足元でお辞儀をすると、セギスムンドは立ち上がるように言う。 セギスムンドは、やはり彼を敬い、彼を父として、王として受け入れると言う。 バシリオはセギスムンドの人柄の良さに感激し、予言が外れたことをセギスムンドが証明してくれたので、バシリオはすぐにセギスムンドを王とする。 セギスムンドはまずアストルフォにロサウラと結婚して失った名誉を回復するよう命じ、さらにエストレージャを自分の妃とする。 セギスムンドはやっと幸せになったが、牢獄で目覚めることを心配する。 それでもセギスムンドは、この喜びの日を境に牢獄で目覚めれば十分だと決心する。”人間の幸せは/結局は夢のように過ぎ去ってしまう “からだ。