成層せん断流におけるせん断数効果について

最大512×256×256点のグリッドを用いた直接数値シミュレーションにより、安定成層流体の乱流進化に対するせん断数の影響を調べた。 せん断数SK/εは、せん断時間スケール1/Sに対する乱流時間スケールK/εの比である。 シミュレーションはレイノルズ数Re Λ=44.72とRe Λ=89.44の2つの初期値で行われた。 剪断数を小さい値から中程度の値まで増加させると、剪断力とそれに伴う乱流生成が大きくなるため、乱流運動エネルギーKの無次元成長率γ= (1/SK)dK/dt は増加する。 しかし、せん断数を中程度からさらに大きくすると、成長率γは減少し、乱流運動エネルギーKはせん断数が十分に大きい値で長時間減衰を示すようになる。 大きなせん断数における乱流成長の抑制は、レイノルズ数の初期値のいずれにおいても起こり、せん断数が十分に大きい場合には非線形効果よりも線形効果の方が優位になることで説明できる。 また、レイノルズ数の初期値が高いほど、成長速度の低減が起こることがわかった。 せん断数はスペクトル空間力学に影響を与えることがわかった。 乱流輸送係数は、せん断数の増加とともに減少する。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。