目的. アキレス腱拘縮に対する低侵襲なアキレス腱伸展術とシステムリハビリテーションの安全性と有効性を検討する。
方法。 2002年1月から2010年12月までに,アキレス腱拘縮を有する27例(31足)に対して,低侵襲なアキレス腱伸展術とシステムリハビリテーションを行った. 男性11名,女性16名,平均年齢35.5歳(3~65歳)であった。 右足が13例、左足が10例、両足が4例であった。 経過は1~5年で、平均2.3年であった。 拘縮の原因としては,髄内釘打による脛骨骨折の術後合併症7例,下腿コンパートメント症候群の後遺症11例,先天性赤距骨13例(両足4例)などがあった. 手術前,全例が足を引きずりながら歩行し,足底屈曲異常は15度から50度で,平均35.5度であった. 大腿四頭筋の筋力は27足でV級、4足でIV級、上腕三頭筋の筋力は24足でV級、7足でIV級であった。
結果。 全例6~24ヶ月のフォローアップを行い、平均11.3ヶ月であった。 足関節の機能を評価するArner-Lindholmの基準では、29足が良好、2足が良好であった。 また、感染、再破裂、再骨折は認めなかった。
結論。 アキレス腱拘縮に対する低侵襲なアキレス腱伸展術とシステムリハビリテーションは、手術が簡単、合併症が少ない、再発率が低いなどの利点があり、患者の徹底したリハビリテーションに好都合であった。 しかし、術前リハビリテーション治療後、大腿四頭筋や上腕三頭筋の筋力がまだ3級以下の場合は、この方法を選択してはいけません。